自動車塗装工場の空調はなんだかすごいらしい。
日空衛情報部会T委員はこう語る。
「はい。塗装工程は女性のお化粧に例えることができます。洗顔、基礎化粧、化粧下地、メイクなどのように、自動車の塗装にも洗浄、下塗、中塗、上塗、乾燥といった工程があり、複数の塗料の膜が耐久性や美観保持の役割を果たしています。
塗装工場の塗装ブースでは前後で異なる色の塗料を噴くことがありますし、ブツ(にきび)のない平滑な塗面が要求されますので、塗料ミストがブース内で飛散しないようにしなくてはいけません。
このため、ブース上部から下部へ自動車ボディに沿って一様な気流を作り、ブースの下部では強い水膜を作って、空気と塗料ミストを吸い込んでいます。
また、塗料の種類(水性、溶剤等)によっても異なりますが、高品質かつ均一な塗膜を形成するため、塗装ブースでは温度とともに湿度管理も重要です。
乾燥炉も自動車ボディの内外が均一に昇温するように工夫しています。
その他、自動車ボディへの塗料の塗着効率を高める技術により、塗料の使用量を低減し、材料コスト低減や環境負荷低減にもつなげています。
各工程で使用するエネルギーや資源も最小限に抑える配慮をしています。
美しい自動車の塗装には、いろいろな空調技術の応用が活かされているのです。」
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